で、昨日の続きですけど、つまりは映画「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男(STONED)」のDVDを見たわけです。
なんかねえ。
いや、悪くないんですよ。
特典映像で監督が「ブライアンに主眼を置いた作品にしたいから...」
ゴメン、肝心なとこ忘れた。
たぶん、他のメンバーをあまり出すとストーンズの映画になってしまう、みたいなこと言ってたと思うんだけど。
いや、そうよ、監督。分かってんじゃん!
と生意気にも思ったんだけど、それが描き切れてないっていうかね。
例えば、この映画を見た方のブログでの感想なんかをたまたま見ちゃったんだけど、中には「ダメダメな男の物語」(もちろん彼をロックスターとしてリスペクトしつつも)みたいな解釈しちゃってる人がいたりして。
ま、確かにダメダメになってはいくんだけど(人一倍繊細だったわけだし、ってのも描き切れてない気が....)。
一言で片付けちゃうとちょいとちゃうかなーっって。
感じ方は人それぞれだし、実際ブライアンと接したこともなく、文献にしか頼らざるを得ない僕レベルの人間が言うのもおこがましいわけだけど、この映画を見て単に
"60年代のロックシーンはすごかった。フリーセックス、ドラッグ、ロケンロー!!"
+"ブライアンってオシャレだよねー"
くらいだとちょっと悲しいかなーと。
だって、ここで描かれてるブライアンって確かに冒頭で彼がストーンズのリーダーであり、決定権を持ってるってのを主張してんだけど、あまりにその部分が薄っぺらいし、残らないよね。
多くのミュージシャン(ビルワイマンも言ってる)が"英国で最初のスライドギタープレーヤー"だってブライアンを評してるし、Paint it blackではジョージハリソンとは異なる解釈の荒々しい演奏でシタールという楽器を見事に生かしてるし、フルートもそうだし、いろんな楽器をすぐ習得しちゃったり、本読んだ時、一番僕が「おお!」と唸ったのはブルースハープ奏者としてのブライアン。
昨日ここに載せた僕の本からの引用にも書いてあるけど、ハーモニカプレーヤーとして自信を持っていたジョンレノンがたまたま見たステージで初めてブライアンのハーモニカを見た時のセリフ。
「これこそ本当のハーモニカの演奏だ。おれにはできない。おれはただ、吹いたり吸ったりするだけなんだから」
確かにブルースハープ吹いてるシーンはあった。
でもそれだけじゃ何もつたわらんよね。
奇しくも僕の好きな映画「BackBeat」のプロデューサーでもあった監督なわけだから、あそこにジョンをインサートして上記セリフを言わせたりするとニクいなぁ、なんて思うわけだけど。
今のミックやキースの印象が強いから、上記のミュージシャンとしての才能やファッションリーダーとしての具体的なエピソードが欠けてるとブライアンのカリスマ性って説得力に欠けちゃうと思う。
極論するとあの映画見て「利己主義なブライアンとかいうやつがストーンズの初期にいて、ストーンズを自分の所有物のように思ってた。曲もろくに書けず、ドラッグと酒、お決まりの女三昧。そりゃメンバーも愛想尽かすやろ。だいたいそんなすごいやつだったんか?ブライアンって」
って思う人がいても全然不思議じゃない。
そこがちょっと悲しいかなぁ。
映画で初めてブライアンを知った人、是非昨日の僕の引用した部分見てみてください。
わずか数分で読める量だし。
ストーンズを「ワル」ってキーワードで売り出したのは、マーケ的には大成功だし、いいんだけど、その裏でブライアンはちゃんとファンを大事にしてたって事実があったりね。
サログッドについては関係者の証言によると、相当イヤなやつだったらしいね。
そのへんをあまり描いてもしょうがないわけだけど、ブライアンの傍若無人ぶりがちょいとクローズアップされすぎな気がしないこともなく。
あああああ、書いてたらまた終わらなくなった....
今日はここまでってことで。すんません!
これ、僕も持ってるんだけど「The Early Stones」っていう写真集。
英語だけどメンバーやアニタのコメントが載ってたりする。
ブライアンとアニタの2ショットも。