梅丘に着くちょい手前で電車は結構揺れる。
一度だけ。
一度だけだが毎回だ。
それを知っているので「まもなく梅丘」というアナウンスとともに、重心を南に、靴の先に渾身の力を込める。
うっかりさんか、一見さんか、はたまた空想中、迷走中の方々などなどはつり革に捕まってないと
「おおっ」
と軽くダンスしてしまうほど結構な揺れである。
そんなダンスを横目で見つつ、肩にカバンを、足の間にキーボードを挟んで最寄り駅へ向かう。
たいがい本を読んでるか、携帯だかだかで電車の中の過ごし方には大してパターンがないオレですが、
今日は本だった。
途中角が空いたんでキーボードを立てかけた。
駅着。
本を閉じ、カバンにしまいながらホームへ降り立つ。
スタスタ流れに乗って階段へ向かう。
カバンに本を閉まって、肩にかけて、と
あかんやん!キーボード!
プシュー
ドアが閉まって行く〜
電車が出て行く〜
オレのキーボードも出て行く〜
サヨナラ〜
っておい!
走って追いつけるかと思ったが、ドアの開いてない電車に戻れるわけもなく
タクシーか?
いやいや追いつけんて!!!
そんな忘れもの初心者な浅はかさがよぎるのを感じたあとはホームにある「係員呼び出しボタン」を押し、事情説明。
とりあえず降りてきてください、でしたが(笑)
忘れもの初心者としてはいますぐ連絡入れれば次、または次の次の駅でつかまるだろう、
さすがに持っていかんやろ、と思うわけだが、実はそんなわけにはいかないようで
急行待ちする結構でかめな駅で初めて調べてくれるという
で、それが10個先の駅。
おおおおおおいいいいいいい、10個先て!!
と思ったがなにせ100パー、オレが悪いんだしと我に返る。
30分弱経って連絡がきて、無事保護されたとのこと。
トウキョウステキジャン☆
そんなわけで計20駅の小旅行をしてキーボード救ってきました
ところで、その忘れもん取りに行く運賃は当然100パー、悪い忘れもんした野郎持ちかと思いきや、
駅で「忘れもん取りに行く券(名前はちゃう)」をわざわざ発行してくれたわけ。
普通そうなん?
ちょいとビックリ