なるほどね。
リンチ好きな僕としては(と言っても映画館でなかなか見ないけど)相当期待して見ました。
期待したほどではなかったけど、何がやりたかったかなんとなく分かる映画でした。
最新作にして最高傑作というキャッチが付いてたりしますが(営業的な意味合い強いだろうけど)、
これは駄作でも最高傑作でもなくて、リンチが次へ進む大きな、やっぱり実験だったんだろうと。
「分かった!」なんて片付けられないし、一部「分かった気になれ」たりするけど、推測ではリンチ自身すべて理解して確固たる回答があって、組み立ててるんじゃなくて、リンチも観客も「分かった気になって」るんじゃないかと。
基本的にリンチが描く題材って表面的には違うけど、大きくは変わってないというか。それをなんとか視覚で表現したいって思ってるんだと思う。
INLAND EMPIREで表現したかったのは、
人間ってのは理解できない、自分自身理解してるつもりの自分自身でさえホントのところどうなんだか... なんじゃないかと勝手に思います。
つまり誰も理解できる映画にはなり得ない(笑)
だから、あそこでこう言ったからこのシーンはこうなのか!?とか、あそこで出て来た××は○○のことだったのか!?とか、知的好奇心を満たすことはあっても、実はどうでもいいことなんかな〜と。
最近のでは、僕的には「マルホランドドライブ」の方が好きですけど、リンチの次は期待できそうだと思った作品でした。
あれもこれもといろいろやっちゃった180分ですが、INLAND EMPIREで試みた手法に、もうちょいストーリー的に「そうきたか....」と多くが納得できる整理をして、120分サイズに出来ると思うんで、やっぱり次期待したいところ。
でもINLAND EMPIREの位置づけとしてはこれでいいんだと思います。