石巻再びレポート(2011/6/5-10)
6/6(月)
あれだけ予想外に寒かった4月後半と違い(雪降ったんだもんな)、今度は暑さで起きた。 喫煙所でピースボート(以下「ピースボート」はピースボートのボランティアの意。社員ではない)として来ていた女の子と話す。炊き出しなどやっている模様。のち何度もこの喫煙所で話した。 8:30に「新規ボランティア」受付をすませ(2日目以降は「継続ボランティア」として毎朝名前を記入する)昨日迎えに来てくれたSさん運転で超裏道を走り現場へ。今回もうれしいことに前回やったエリアでの作業となるようだ。 到着後前回作業したAさん、Mさん、Iさん宅やその周辺を歩いて案内してもらった。 Sさん「すごいキレイになったでしょう〜」と。 実際の通りと違うんですが大目に見てください(笑)でもこんな感じです。(左)4月後半(右)6月前半 たしかに道の両サイドにうずたかく積まれた土嚢やゴミが撤去され、道がきれいになり、絶対すれ違えなかった車もいけそうだし、Aさん宅前の3メートルほどのがれきの山(↓下の写真(左)の手前右側部分)もすっかりなくなり(一旦なくなり再度集まってきているが)きれいになった。それでも手放しで喜べない印象を同時に持った。 正面が4月にやったAさん宅。手前右ががれき/ゴミ仮置き場だった公園。 前回から2ヶ月弱、その間大勢のボランティアが集結したゴールデンウィークもあった。なんとなくもっと進んでるものと想像していただけに改めてやっぱりまだまだ時間がかかるんだなと認識した。Sさん自身、石巻ボラセンがGW期間ボランティア受付を一時中止にしたけど、本当はしなくてもよかったと言ってたっけ。 うれしいサプライズもあった。 ゴミやがれき満載だったMさん宅の庭にトマトが植えられていて、茎を伸ばしていたのだ。これにはつい涙腺がやられそうになった。ガッツのある実がなってほしい。がれきまみれだったのにすごいよ。 4月に一緒に活動した人たちにもこれをメールで伝えた。 今回もこの地区での活動となるわけですが(一応地名は伏せておきます)、4月にやったAさん、Mさん宅のこの通りから海側へ通り2つほど行った箇所。海側へということは被害がより深刻だということだが、1階天井まで水に浸かり(Aさん宅では約170cm浸水だった)、半壊と全壊の境のような状態の家が多い。 まずはKSさんというお宅の裏側の泥のかきだしを。表側の庭部分のゴミやがれきはすでにきれいになくなっていました。 以前は右のように家の庭、前にゴミがあふれていたのが分かる。 熊本から単身ボランティアでやってきて、4月頭から1ヶ月、GW一旦帰り、明けて再び1ヶ月と計2ヶ月に渡り石巻の推移を見てきた方(推定60代男性)もこの復旧状況を「(まだまだ)全然だよ」と言っていた。やっぱりそうだよな。 そして今回は本当に暑さとの戦いだった。衛生面も含めて本格的な夏到来前に急がねばという思い。 昼は東京から持参の菓子パン1個とレーズンロールを1個だか、2個だか。あとはひたすら水分。朝話したピースボートの女性が「炊き出しでも昨日1リットルは飲んだ。泥だしなど炎天下なら2リットルいるかも、水じゃなくてポカリなどがいい」等アドバイスくれてたんで覚悟はできていたが...。 元々持っていたアクエリアス500ml(飲みかけ)に加え、毎朝8:30に原則集合するボラセン受付で支援物資の中からいただいた500mlの水を持参したがまるで量が足らない。真夏の部活のあの飢餓感が久々に思い出された。水道の水は出るとこ、出ないとこあるが飲めないしね。 水分補給注意しないとボランティアから熱中症が出るのは時間の問題だと正直思う。まじめな日本人のこと、一斉の休憩時間にしか水分摂らないとかありがちだから。まめに摂った方がいい。 食べ物については前回は東京でも日持ちするものがコンビニになかった気がするんだけど、今回はロールパンのように3〜4日もつものがあったので地味に助かった。 とにかく水分だ。でかいペットボトル買っておかないとと班長Mさんの車での帰路、ヨークベルマル(前回まだ開いてなかった)で買い物を。 ガリガリくん日和だったこともあり、同乗したみんなに買ってきたがそもそも運転してるMさんは食えるはずもなく、さすがに自分2個は食えず水に戻っていった....。南無。 2Lアクエリアス、500mlのお茶/コーラ/水/アクエリアス、おにぎり2個、レバニラ炒め(100円)、サンドウィッチ100円を購入。 班長Mさんは神奈川の時宗のお坊さん。作業着着るとこっちが本職かと思えるほど堂に入っていました(笑) 一緒に作業したもう1人がたまたま時宗の人で、そもそも確率的に出会うことが少なそうな時宗の家の人がここで会うなんてすごい、と休憩時ちょっと盛り上がっていた。 岩手、宮城を3週間に渡りボランティア(釜石1週間→気仙沼1週間→南三陸に行ったら全滅で個人ボランティアがやれることがないと判断→石巻1週間目)されている推定60代の男性とも今日一緒に作業した。 また、市民の森にテントを張っている大学3年の2人はたまたま土曜夜新宿発の高速バスで一緒になり、行動を共にしている。東京からの高速バスは僕が乗った「新宿〜仙台」でなく「新宿〜石巻」という便利な選択肢があるんで当然検討してはいたが、たしか石巻駅に朝7:30頃着だったと思う。 その日の作業受付が8:30なので、駅からの足や着いてからのテント設営等逆算するとその日の作業に間に合わない恐れがあると考え(ヘタすると1日をムダにしてしまう)、僕は「仙台行き」を選択した。 前回レポートと重複するが、8:30受付で10数名ほどの1日限定即席団体が出来上がり、それぞれ現場へ向かうため、集合時間に遅れるとみな出払ってしまい「やることなし」という宣告を受ける。前回横浜から単身来ていたYさんのように(笑) つまり1日つぶしてしまうのだ。これを避けるべく、僕は日曜昼の便(たしか安かったのもあったと思う)にした。 大学生2人は朝石巻に着いて「大学へのバスがまだない」ことを知るも、タクシーで大学(ボラセン)へ向かってことなきを得た。翌日彼らは班長Mさんに付いていって市民の森の方にテントを張った。山奥にあり、星もキレイだという。 「ボランティアの域超えてますよね。軽く労働(笑)」と言った彼は3年ほど前からカメラをやっていて、今回ニコンの銀塩一眼レフ(じーちゃんの)で合間合間に撮影していた(スキャンして送ってもらうことになっている) もう1人Sくんは福祉関連を専攻しているため、特に資格も何もないけど老人ホーム訪問とか、看護、介護方面で何かできたらいいなと言っていた。のちに親しくなった医療班の方と顔合わせもセッティングした。来週末までと行っていたので2週間の予定だ。彼はあえて東京から携帯を持ってこなかった。 泥だしはひたすらマンパワー(もちろん若手パワー大歓迎)が求められるが、このSくんのように向かっている方向があったり、特定のスキルがあるなら迷わずそれを生かすボランティアを探してやった方がいいと思う。泥だしだけが必要なわけはなく、どれも必要なわけだし、医療班の先生がのちに言っていたが、なかなか経験できないことは確か。 ボラセン帰宅後、長靴を洗いにいって朝会った女の子(千葉から。名前知らないので便宜上以下Aさん)と再び話す。その子ともう1人の女の子(便宜上以下Bさん)がそこで再会。Bさんは一度ピースボードでボランティアに来て、今回は個人で2〜3人でやってきたという。愛知豊田からの人。 2人は日に焼きたいという話をなぜかしていた。もう1人のピースボードの女性(以下Cさん)がBさんと再会。3人で「焼けると細くみえる」「分かる分かる」と軽くガールズトークを展開。Aさんがあっけらかんと「今脇毛ツルッツルー」とBさんと話してたんで、聞こえてるのに黙ってるのも気持ち悪く、いろいろツッコミをいれてみた。ここどうでもいい話だな!(笑) Bさんは今日お墓の泥だしに行った模様。明日はそのお墓に大勢の若いお坊さんが泥だしに来るとか。 また、ピースボードは来ている間風呂や外出は禁止とAさんに聞いた。原則1週間単位で入れ替わりという感じだけど、途中で諸事情で帰る人もいるらしい。その場合は自己負担で帰るという。なるほど。僕は前回「他力本願」ながら毎日風呂に行けたからあの味を知っちゃうとそのルール厳しいけど、名のある団体でもあるし、飲食、寝床についての心配もいらないから右も左も分からないというボランティア未経験者にはいいと思う。そういった団体以外でも地域の有志や旅行会社がボランティアバスツアーやってたりもしますよね最近。 さて、テントの話。 一人用のテントで、調べて名の知れたメーカーのものを買った。 分かってはいたがなにより高さが低い。寝る分には困らないが着替えたり、ちょっと座って何かやろうとすると天井に頭があたり、ちーとつらい。低い分風の抵抗を受けにくいってメリットもあろうが、ちーとつらい。 ボラセン受付の所で電源開放していて携帯が充電できるようになっていたため、iPhoneを1時間充電した(盗まれただの張り紙があるのでなるべく充電中は近場にいた方がいい) ここでノートPCでmixiに日記アップしていたりする人もそこそこいました。 風呂については前回のような恵まれた「他力本願」は考えず、体拭きシートを持参していたのでそれでしのいだ。これについてもネットや介護ショップなど色々探したが結局都内のドラッグストアで買った。 とはいえ、1日の疲れを落とすあの風呂のマジックを知っている以上当然入りたい気持ちはある。なにせ今度の汗だく感は前回の比じゃないし...。入りたいのうー。 夕メシ。作業帰りに買ったおにぎり1個とレバニラ炒めを食べる。 ギター、カホンで歌っている人たちがいた。10時前には就寝だったかな。【続きを読む】 |