石巻再びレポート(2011/6/5-10)
6/5(日)〜10(金)ダイジェスト
6/5(日)午前10:50 新宿発仙台行き高速バスで出発。実は高速バス初体験。4000円也。 テント、寝袋、長靴等しこたま積み込みキャリーカートで階段を駆け上がり、汗だく。なんせ今度は夏日らしい(笑)雨より断然ましだけど。 午後4:20すぎ仙台着。午後5:07仙台発の高速バスで午後6:30すぎ石巻着。家から計8時間強。 4月にボランティアを一緒にやったSさんが引き続き石巻にいるので石巻駅に迎えにきてくれる手はずになっていた。ありがたいことです。 6/6(月)翌朝、昨日迎えに来てくれたSさん運転で超裏道を走り現場へ。今回もうれしいことに前回やったエリアでの作業となるようだ。 到着後前回作業したAさん、Mさん、Iさん宅やその周辺を歩いて案内してもらった。 Sさん「すごいキレイになったでしょう〜」と。 実際の通りと違うんですが大目に見てください(笑)でもこんな感じです。(左)4月後半(右)6月前半 たしかに道の両サイドにうずたかく積まれた土嚢やゴミが撤去され、道がきれいになっている。Aさん宅前の3メートルほどのがれきの山(↓下の写真(左)の手前右側部分)もすっかりなくなり(一旦なくなり再度集まってきているが)きれいになった。それでも手放しで喜べない印象を同時に持った。 正面右が4月にやったAさん宅。手前右ががれき/ゴミ仮置き場だった公園。 前回から2ヶ月弱、その間大勢のボランティアが集結したゴールデンウィークもあった。なんとなくもっと進んでるものと想像していただけに改めてまだまだ時間がかかるんだなと認識した。 しかしうれしいサプライズもあった。 ゴミやがれき満載だったMさん宅(写真正面左)の庭にトマトが植えられていて、つい涙腺がやられそうになった。がれきまみれだったのにすごいよ。 4月に一緒に活動した人たちにもこれをメールで伝えた。 今回もこの地区での活動となるわけですが(一応地名は伏せておきます)、4月にやったAさん、Mさん宅のこの通りから海側へ通り2つほど行った箇所。海側へということは被害がより深刻だということだが、1階天井まで水に浸かり(Aさん宅では約170cm浸水だった)、半壊と全壊の境のような状態の家が多い。 まずはKSさんというお宅の裏側の泥のかきだしを。表側の庭部分のゴミやがれきはすでにきれいになくなっていました。 以前は右のように家の庭、前にゴミがあふれていたのが分かる。 熊本から単身ボランティアでやってきて、4月頭から1ヶ月、GW一旦帰り、明けて再び1ヶ月と計2ヶ月に渡り石巻の推移を見てきた方(推定60代男性)もこの復旧状況を「(まだまだ)全然だよ」と言っていた。やっぱりそうだよな。 そして今回は本当に暑さとの戦いだった。衛生面も含めて本格的な夏到来前に急がねばという思い。 水分補給注意しないとボランティアから熱中症が出るのは時間の問題だと正直思う。休憩とは関係なくまめに摂った方がいい。 風呂については前回のような恵まれた「他力本願」は考えず、体拭きシートを持参していたのでそれでしのいだ。これについてもネットや介護ショップなど色々探したが結局都内のドラッグストアで買った。 6/7(火)昨日の続きのKSさん宅と斜めとなりのKYさん宅の泥出し&床板はがし。人員:10数名ほど(途中から大阪からの美容師部隊10数名加わる)
途中から島根ボランティア隊20名ほどが目の前の側溝のヘドロかきだしをやっていた(↓奥の人たち)。側溝内のヘドロはニオイも強烈で実に過酷。
上の写真のすぐ右隣の畑。奥が海側。(左)4月後半(右)6月前半 上の写真を時計周りに90度した畑の手前の道。撮影場所、アングルに統一感ないですがご了承を。(左)4月後半(右)6月前半。 朝途中からKSさん宅の泥だしを手伝ってくれた大阪からの美容師部隊10数名。 月曜夜大阪を出て、今日火曜朝着いて活動して、午後2:30のバスで大阪に戻る。まさに弾丸!おつかれさま! ボラセンへ戻り、4月にはなかったボランティア向けレンタル自転車を借りCOOPへ買い出し。その帰りにがれき仮集積場を通った。
がれきいっぱい ↑ぬいぐるみばかりが集められたエリア。 これは徒歩や自転車じゃないと目に触れない場所にある。 ここに到着してここの方が分別したんだろう。表現が正しくないかもしれないが感動した。僕ら泥だしの際にも見つけたらぬいぐるみなんかを他のゴミと一線を画すよう離れたところに置いたりするが、気持ちはみんな一緒なんだなと。 夕食にボラセン受付でもらったおにぎりを食べる。手書きの「本当に本当に」の繰り返しになんかちょっとウルっときた。テントがグリーンなんでアレですが。
どこかの段階で「前回に比べ足取り重たいな、まだ○日目なのにな」と感じ、長靴から試しにステンレスの中敷きを取って歩いてみたら軽い軽い。中敷きは大リーグボール養成なんとかかと....(笑) 6/8(水)KYさん宅の床板はがしと、昨日から続いているKSさん宅の床板はがし。 1階に津波が来ていると床下に泥、ヘドロがたまるんで床板はがして泥を出すという流れになる。
前回4月は床下の泥を土嚢袋に詰めたが今回はバケツなどに入れ、一輪車に移し捨てにいくという手順をとった。 昼休み後全員一気にではないが、KY、KSさん両お宅のメドがつき、別のお宅へ向かう。 4月にやったAさん宅の斜向い、Mさん宅。 ■が4月に作業したA/M/Iさん宅。 ■が今回作業したKS/KYさん宅(KSさん宅は途中から) ■がこれから作業する(ことになる)M/Tさん宅。 どこも歩いてすぐの距離。2ヶ月経過してもこういう状況というのが現実(もちろん他エリアすべてがこうとは限らないが) 中央下部分の広い土部分がさきの写真の畑です。 駆けつけたMさん宅。外からは大した被害に見えないが、中は凄まじい。倒れていた冷蔵庫には311時にあったままの中身が3ヶ月前と同じように収納されていた。 6/9(木)昨日の続きでMさん宅の泥だしを行う。 実はMさん、高齢のご夫婦は残念ながら助からなかった。娘さんは嫁いでいて、息子さんが残ったものの1人でこの広い一軒家は住めないと判断し、立て壊し予定になっている。そういった事情もあり、4月に斜向いのAさん宅らをやったにも関わらず、この至近距離で2ヶ月(311からは3ヶ月)まるまる手つかずだったというわけだ。 しかしこのままだとニオイなどで近隣に迷惑がかかるということでボランティアにオファーが来たと。この手のケースは多いと思う。 次に二軒隣のTさん宅をやることに。 ■がM/Tさん宅 ■が4月に作業したA/M/Iさん宅 ■はがれき/ごみの仮集積場(元公園)で今回姫路市職員の方が連日キレイにしてくれていました。 さて、Mさん宅。ここも外から見たら大した被害に見えないが室内は壮絶だった。まず震災から3ヶ月間閉め切っていた窓やサッシを外す。同時に大量のハエが外へ。ヘドロは20〜30cm堆積している。 別の日帰りボランティアツアーの方たちも合流し、20〜30名で部屋のものすべてを一気に外へ。 手前の部屋はすっかりキレイになったが奥の部屋はまだまだほぼ手つかず。 ここで今日の作業終了。1〜2時間フルスピードだったといえる。 ボラセン着。あたたかいコーヒーをもらう。 ここでの疲れを全部落とすぞ、風呂いくぞ、と意気込んでいたがレンタル自転車はすべて出払っていた(ショック!!) 約40分かけ、歩いて自衛隊提供のお風呂へ。5日ぶりだ。被災されている現地の方も一緒なので、悪いことしてないのに若干肩身の狭い思いを抱きながら入浴。 出口で「お〜いお茶」をいただく。自衛隊のみなさん、ありがとう! 6/10(金)今回のために準備した作業服上下は昨日のヘドロがベッタリついていたこともあり、帽子とともに破棄した。4月にはなかったボランティア向けの燃えるゴミ集荷があったのは助かった。原則出したゴミは持ち帰りが理想だけどね。 6/13(月)までは東北新幹線上り(つまり東京行き)半額というサービスを使い、帰宅! イギリスの新聞デイリーメール誌が報じた震災直後と3ヵ月後の比較写真を見ると確かに復旧復興は着実に進んでいるようにみえます。でもまだまだ途方もなく時間がかかるのが現実です。 俯瞰の撤去状況と生活者目線(地上レベル)のそれとは違います。 ソース(情報元)が見つからなかったですが、5/31時点で 石巻のがれき撤去率は地域別データでワースト1。まだ全体の5%ほど。という情報もありますし、6/12朝の2つの情報番組でも似たような数字が出ていました。見ながらメモったんで誤りがあったらすいません。
被害にあわれたところはどこも大変だと思うのですが、微力ながら自分がお手伝いさせたいただいた石巻の泥だし、がれき撤去がなんとか今年中に終わってほしいと願っています。年内いっぱいはかかるだろうと個人的に思っているということです。 もちろんそんな予想は外れ、秋口にはメドがたつとか、であればそれにこしたことはありません。また、この数字は戻ってきてから知りましたし冒頭で書いたように再び石巻へ行ったのは「撤去率」云々とは無関係です。 しばらく行けそうもないのですが、推移を見守りつつ、こちらでできることを粛々とやっていこうと思います。 お世話になったみなさん、ありがとうございました! ※ダイジェストでは写真を中心に構成し、各種エピソードは省きました。興味のある方は6/5から是非ご覧ください。 |