Veo The Mini Capture
2003 年 10 月発売
6,080 円(53.99ドル)
さて、同じ時期の日本でのデジカメ事情をちょっと覗いてみます。
当時トイデジカメ市場を牽引していた Che-ez! というシリーズがありました。
いくつかの製品ラインナップを経て、Veoと同じ時期に店頭に並んでいたのは Veo や VQ1005/Genie III と同じ 130 万画素のコレ。
Che-ez! Tinio
実売価格:9,980 円(デジタルカメラ価格調査/PC Watch 編集部より)
機能面をざっと。
時期的に同じなので当たり前といえば当たり前ですが、Veo と非常に似ています。
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(スペック詳細(英文))
どうですか?
Veo の状況が結構分かります。
上記 Che-ez! Tinio は、残念な点として、起動時間(電源オンボタンを押してから操作/撮影できるまで)が 3.5 秒とかかりすぎ、単 4 電池 2 本で約 50 分しか使えない!!(VQ1005/Genie III の電池の消耗具合が取り沙汰されるが、同時期の同機能のカメラではもっと電池の消耗が激しかったことが窺える)ことが挙げられます。
そして、Che-ez! Tinio ユーザーさんのこんなレビューもあります(一部修正)
「130 万画素で液晶モニタがついて 1 万円を切っていて、素晴らしい!
しかし暗さに弱すぎ....屋外でしか撮影できないでしょう....。
フラッシュをつけるとかしないときびしいですね。」
VQ1005 や Genie III のレビューと言われても信じちゃうかもしれません。
(参考)Che-ez! Tinio ユーザーページ 1 | ユーザーページ 2
ただ、このTinio、見た目的には VQ1005/Genie IIIよ り一回り、二回り大きい気がするんでその Che-ez! シリーズの中でも初代 spyz を挙げてみます。
Che-ez! SPYZ は Veo から遡ること丸 2 年、2001 年 9 月に発売されています。
Che-ez! SPYZ は、結構派手に売れまして、筆者は持ってなかったんですが、知人のを借りたことがあります。
35 万画素なので画質的には劣るんですが、図体的にはより VQ1005/Genie III くささが見られます。電池も1本です。
ちなみに、上記画像は比率を大体同じにして並べた VQ1005 とSPYZ で、サイズは見事なほどほぼ同じです。
VQ1005/Genie III/Veo(幅 6 cm x 奥行 2 cm x 高さ3.8 cm)
Che-ez! SPYZ(幅 6 cm x 奥行 1.85 cm x 高さ3.86 cm)
Veo は SPYZ の二番煎じを狙った製品だったのかもしれません。
ちなみに筆者は 2002 年当時は AXIA の eyeplate で結構遊びました。
当時、世界最薄を謳ってたんですが、もしかしていまだに最薄だったりしないかな?
あと、みなさんに馴染みのある製品も 1 つだけ挙げておきます。
ご存じソニーサイバーショットです。
Veo の発表から 2 ヶ月ばかり遡った 2003 年 8 月 19 日、サイバーショット U という製品が発表されています(発売開始は 9 月 19 日)
200 万画素、1.0 型液晶ディスプレイ、写真(1,632 × 1,224/640 × 480)、ムービー(320 x 240/160 x 112).....
VQ1005/Genie III と比べ、画素数こそ高いものの、写真やムービーの解像度は大して変わらないです。
オープン価格ですが、実売価格は 29,800 円という時代でした(デジタルカメラ価格調査/PC Watch 編集部より)
2007 年 12 月現在、最新のサイバーショットは、800 万画素、3.5 型液晶、写真最大解像度:3,264 × 2,448、ムービー最大解像度:640 × 480(約 30 fps)てな感じで進化を遂げています。
それを考えると、スペック競争という進化の道とは一線を画し(単に本気じゃなかった?笑)、機能面を向上させることなく(笑)、それでも(だからこそ!)今受け入れられている VQ1005/Genie III は本当にユニークな存在だなと改めて感じました。
当初はここで一気に最後まで行くつもりでしたが、当時の日本のデジカメ市場を知る(通過してきた方は改めて)ことで Veo が出てきた背景も見えますし、その後ほぼ放置プレイで現在に至る流れも見え、これはこれでありかなと番外編的にインサートしておきました。
そんなわけで、肝心の結末は次回です。
それでは!